顧問弁護士と言えば大企業限定の存在という印象も、一部の方々には根強い感が見られますが、中小企業の経営者各位にこそ、ぜひ視野に入れていただきたい存在です。なぜなら多くの大企業には法務部もしくはそれに準じる機関が設置されており、対社外もしくは社内で法律が絡む問題が発生した場合、自社組織内での迅速な対応が可能です。また大企業には及ばぬ規模の多くの企業でも、総務部がこの役割を兼任し、社内に法的専門知識を有する人材を確保から体制を整えています。

ですが小規模の企業の場合、社内組織図が此処まで細分化されておらず、結果何らかの予期せぬ法的紛争が生じてしまう、あるいはその1歩手前の事態が生じた場合、慌てて外部の弁護士にその時点から相談せざるを得ません。これが結果初動の遅れに繋がり、結果更に状況を複雑化あるいは悪化させてしまう、悪しき流れとなってしまうリスクが否定出来ません。

確かに弁護士との顧問契約はランニングコストの増額であり、金銭的な負担が避けられません。小規模な企業にとっては月額負担は軽くありませんが、社内の金銭面の流れを見直すなどの作業を通じ、費用面の再試算に着手される価値は十分以上です。万一の状況となった場合、時に自社の存続を揺るがす金額の賠償が求められる可能性がゼロとは言えぬ、それが今日の経済社会なのです。

あらゆる業種内の企業間の過当競争の中、新たなビジネス上の取引開始や継続に不可欠なポイントとして、自社の確かな信頼性が無視出来ません。業界内で確かな信頼と実績を誇る企業であれば、時に労せずとも次々とビジネスチャンスが惹き寄せられる傾向は、既に多くの経営者各位がご存知の通りです。同時に新設の新進企業や異業種から参入を試みる企業が、初期段階で自社のお場所すなわちシェア確保に窮する原因も、歴然たるこの「信頼性重視の尺度」の影響に他なりません。

何より昨今声高に謳われるコンプライアンスに関し、その体制に疑問符が否めぬ企業が目立つ傾向があり、取引先の選択に際しての吟味の目はより一層厳しさを増しています。取引先企業の選択を誤り、クリーン経営とは程遠い相手先を有する事が結果、自社までが言われの無い負の評判を背負ってしまうなど、理不尽な展開に繋がるリスクが無視出来ぬ経済社会となっているのです。

その点自社専属の顧問弁護士を有している企業となれば、襟を正した健全経営、コンプライアンスを遵守する姿勢を有する企業と映り、信頼性のみならず対企業に於ける交渉力のアップにも繋がります。顧問弁護士が背後に控えているという事実が結果、交渉事などを自社に有利に運ぶ追い風となるケースは少なくありません。

顧問弁護士の存在自体を視野に入れておられぬ方々にとっての弁護士は、万一の事態が生じてから探し始め、その問題解決に限定しての契約から善処を一任する存在でしょう。確かに私達の日常生活に於ける弁護士という存在は、こうした距離感すなわち「困った時に頼る存在」に違いなく、弁護士サイドもこうした駆け込み的な相談案件に対し、迅速な対応が可能な知識と能力を有しています。

ですが企業が抱えざるを得なくなるトラブルは時に複雑で、依頼者となる企業に関する十分な事前情報や専門的な関連知識が無い状態での突然の依頼の場合、どれだけ優秀な弁護士でも十分な対応が約束出来ないケースが否めません。顧問契約を締結から担当する企業に関する情報を事前に有し、経営陣と円滑なコミュニケーションを図る事を通じて生じるリスクが懸念されるポイントを予見していれば、自ずと初動から問題収束への対応が良い方に違って当然です。

企業が抱える法的紛争に繋がるリスクは、対自社外に限らず、社内にもその可能性が数多く潜んでいます。果たしてどこまでが法律に基づいた対処を必要とするのか、俄には自己判断が叶わぬ場面も十分想定されます。こうした場面に際し、迅速に確認相談が出来る顧問弁護士の存在が欠かせません。